■ヤマハが目指す水素エンジンの未来について深掘り!
静岡県浜松市にある「はままつフラワーパーク」と「浜名湖ガーデンパーク」では、2024年3月23日から6月16日の間「浜名湖花博2024」が開催中。同イベントで、ヤマハ発動機は水素エンジンを使用したモビリティの展示を行っていました。
次世代の内燃機関として注目を受ける水素エンジン。その現状と今後について、ヤマハに話を聞いてみました。
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静岡県浜松市で発足したヤマハ発動機。今回の展示は、その浜松市内にある自然豊かな「浜名湖ガーデンパーク会場」の建物内で行われています。
展示していたのは2台の水素エンジン車です。1台がゴルフカー「DRIVE H2」。こちらは米国を中心に世界各地で販売している4人乗りゴルフカー「Drive2 Concierge 4」をベースにしたコンセプトモデルです。
もう1台がヤマハの展開している「ROV」こと四輪バギー「YXZ1000R」の水素エンジン搭載モデル。こちらは、2023年の「ジャパンモビリティショー2023」で初公開されたコンセプトカーです。
この2台の展示は、現在のヤマハの水素エンジン研究開発への理解とその認知を高める目的で行われています。
これは、イベント主催者の提示したテーマ「デジタルや最新術を駆使した新たな便利な暮らしの提案」と、それに伴う「来園者に次世代のスマートモビリティに期待してほしい」などの要望に合わせたものです。
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未来に向けたヤマハ発動機の姿勢も伺える今回の展示。しかし、オフロードを走行することが多いYXZ1000Rに水素エンジンが搭載されているのを見ると「パワーは大丈夫なのだろうか?」と思ってしまいます。
ヤマハの広報担当者によれば、現状の水素エンジンの出力はガソリンエンジンと比較して、約2割減の性能になるそうです。これは、水素エンジンの排気温度とNOx排出の抑制などを鑑み、あえて落としているとのこと。
しかし、この差は通常走行であればさほど気にならないようです。広報担当者は「個人的なイメージですが」と断った上で「全開走行性能をガソリン車と比較すれば差は分かるかと思いますが、水素車両だけを乗った場合、性能不足は感じないレベルかと思います」と話していました。
現在の課題は、水素エンジン特有の課題である異常燃焼抑制や、オイル乳化や錆などの解決だといいます。ヤマハでは引き続き研究開発を実施。詳細は未定ながら実証評価も計画する予定です。
また、基礎研究に関しては、カワサキモータース、スズキ、ホンダ等と組織した「水素小型モビリティ・エンジン研究組合」も活用して進めて行くそうです。
そして、水素エンジンの普及という意味ではインフラの拡大も重要になります。そのため、ROVやゴルフカートの他、船外機などさまざまな商材の水素化にもチャレンジしつつ、量産化に向けた最適解を模索していくといいます。
初めて水素エンジンが搭載されるヤマハのモビリティーはどれになるのか。今後の進展に期待しています。
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